7月に入り、本格的に暑くなってきました。東京も今年で一番暑い日となり、今年の夏は例年以上に猛暑となりそうです…。
私はとても暑がりで、夏になると一気に走れなくなります。一方で、暑さに強いランナーも私の周りにもたくさんいます。
もちろん、暑さに対する強い、弱いには個人差がるかと思いますが、それぞれどのような特徴があるのでしょうか。また、暑さに負けない身体づくりの方法もご紹介しますので、これからの時期のトレーニングに向けた身体づくりの参考にしてみてください。
暑さに強い人、弱い人 その違いは?
とある研究結果では、基本的には筋肉や体脂肪、また皮膚上の汗を分泌する汗腺の多い少ないが、暑さに弱い人と強い人の差になるという結果を発表しています。暑い地域で育った人は身体が順応しているなど、暑さへの耐性は周囲の環境によって変わる可能性もあります。
また、筋肉量が多く代謝の上がりやすい男性の方が女性よりも暑さを感じやすい傾向にあります。体脂肪が多いと熱を体外に放出しづらいので、体脂肪が多い方が暑さに弱いという点は男女関係ありません。
暑さに弱い人は、体脂肪を減らす意識をすることで暑さの感じ方も変わってくるかもしれませんね。
暑さに慣れることは可能
東京福祉大学の澤田教授(健康科学)は、以下の様な高温環境の実験を紹介しています。
24人の被験者を対象に、高温環境下(気温49℃、湿度20%)で時速5kmの行進を1日100分間、7日間連続で行ったところ、初日は全員が行進を最後まで完遂できませんでしたが、2日目から完遂する者が徐々に増加して、7日目には1人を除く全員が完遂可能になったというのです。
もう1つの実験は、気温50.6℃という高温環境下で毎日1時間歩行(10分間の時速4kmのトレッドミル歩行を2分間の休みを入れて5回繰り返す)を行いました。最初の2、3日は体温や心拍数が大幅に増加しましたが、暑さに慣れてくると徐々に発汗量が増え、心拍数の増加が抑えられ、深部体温も上昇しにくくなり、1週間ほどで暑さによる不快感が減り、心理的な負担が軽くなったというのです。
この実験結果からも、高温環境に順応することは可能だということが分かります。熱くなって最初の2,3日が最も危険で熱中症のリスクも高くなります。
身体の負担を少なくしつつ、夏でも耐えられる身体づくりの準備をしていきましょう。
暑さに負けない身体づくりの方法
「暑い環境下でもなるべくランニングを続けたい!」と思っているランナーは多いはず。暑さに負けない身体づくりの方法をご紹介します。
本格的に暑い季節が来る前に、順応できるように取り組んでみてください。
汗をかきやすい身体づくりを意識
汗をかける体になることが、暑熱順応のポイントになります。汗をかくことで、上がった体温を下げるなどで体温を調整しているのです。
また、汗をかくことで汗が蒸発するときに体から気化熱を奪い、上昇した体温を下げて熱中症を防いでいます。汗をかくことが暑さにより上がった体温をコントロールしているので、汗をかきやすい身体づくりをしましょう。
早朝や夕方などの比較的涼しめの時間帯にウォーキングやジョギングをおこなうことがおすすめです。
体脂肪を減らし筋肉量を増やす
体脂肪が多いと、体内に熱がこもってしまうので体脂肪は減らすようにしましょう。それに合わせて、代謝を上げてくれる筋肉量を増やすことで汗をかきやすい身体になります。
夏が来て一度に身体づくりをすることは負担も大きいので、生活中でも少しずつ筋肉量を増やす工夫をおこなってゆくことも効果的です。
外に出て徐々に暑さに身体を慣らしていく
東京福祉大学の研究結果にもあるように、暑い中で活動をすることで徐々に身体を慣らしてゆくという方法もあります。負担の少ない強度や時間で運動をすることで、身体が暑さに自然と順応していきます。
熱くなり始めた時期には、家にこもりっぱなしになるのではなく、散歩やジョギングを取り入れて、夏に負けない身体にすることも意識してみてください。
室内の温度との外気温の差を少なくする
ありがちなのが、暑いからといってクーラーガンガンな部屋に籠ってしまうこと。寝る時も日中も涼しい部屋にいると、外に出ると身体が暑さに耐えられず疲弊してしまいやすくなります。
そうならないためにも、クーラーの設定温度をなるべく下げ過ぎないことや、扇風機を活用することで工夫をしましょう。
朝や夕方は窓を開けて涼しい外気を取り入れるのも良いでしょう。
水分と塩分をこまめに取り、クーリングもしっかりしよう!
いきなり暑くなった時期は身体の負担も大きく、体調を崩したり熱中症になってしまうことも多々あります。こまめに水分を摂り、水分だけではなく塩分やカリウムも摂るように意識しましょう。
まとめて水分を摂るよりも、こまめに水分補給をする方が熱中症の予防になるのです!
ほてった身体は、氷や冷水で太い血管を冷やすことも効果的です。冷やし過ぎには気を付けて、身体の熱を放出させる工夫を取り入れてみてください。
まだまだこれから暑い日が続きますが、身体に気を付けて楽しくランニングを続けましょう!