シーズン後のゆったり期間から、「さあ始動するぞ!」と立ち上がった4月頭。
なぜか謎の不調に陥ってしまった。定期的に来る、不調の波。
全く不調な時期がないって人は本当に羨ましいんですが、ランニングの調子も山あり谷ありでまるで人生みたいですね。
私みたいにランニングの不調に陥っている人、実は結構いるんじゃないか?
今回は、ランニングの不調について紐解いてみましょう。
ランニングが不調になってしまう原因とは?
突如として襲ってくるランニングの不調時期。その原因はいったい何なのか、具体的に見ていきましょう。
精神的なもの
パフォーマンスの低下は精神的な疲労が原因になっている可能性があります。
悩み事がない場合でも、コンピューターを使う仕事などで頭が疲れてしまうとそれだけで心身的なパフォーマンス低下につながることも実験結果として出ています。
2009年に応用生理学の学術雑誌に発表された、「精神的疲労は人間の身体的能力を損なう」と題する論文があります。この研究では、一般男女16人の被験者を2グループに分けました。
90分間コンピューター・ゲームを行うグループと、90分間ただじっとテレビでドキュメンタリー番組を見るグループです。両グループそれぞれ90分間を過ごした後、固定自転車に乗ってエクササイズをしてもらいました。
どちらのグループも、その90分間の前後で心拍数や酸素消費量、乳酸塩、心拍出量など身体的測定値に変化はありません。
しかし、コンピューター・ゲームを行ったグループの方が精神的な疲れを多く感じ、それがエクササイズを継続する「持久力」に影響する結果が出ました。こちらのグループの方が、平均して15%ほど短い時間でエクササイズをギブアップしてしまったのです。
アスリートでさえも精神的な疲労によりパフォーマンスが低下すると言われているので、心当たりのある人は疑ってみても良いでしょう。
また、シーズンオフなどになるとやる気が湧かないなど、仕事や趣味などで他に注力したいことがある場合、なかなか気持ちがのらないケースも。
精神的な影響は予想以上にランナーの不調に影響していると言えます。
オーバートレーニング症候群に陥っている
ランニング歴の長いランナーであればあるほど考えられるのが「オーバートレーニング症候群」です。
オーバートレーニング症候群とは、スポーツ活動などによって生じた生理的な疲労、精神的な疲労が十分に回復しないまま積み重なり、常に疲労を感じる慢性疲労状態となること。
走歴が長くなれば「もっと頑張らないとレベルアップできない」「強度を高めないと」と練習にさらに負荷をかけてしまいます。
その結果、オーバートレーニング症候群に陥ってしまい、不調の渦に飲み込まれてしまうのです。
ランニングのペースが速すぎる
ランニングの練習には、主に「ポイント練習」と「リカバリー練習」の2種類があります。
後者は負荷をかけたトレーニング以外の日に疲労回復を目的として取り組むトレーニングで、本来はリカバリーを目的としているのだが……。
タイムや月間走行距離(速く走った方がたくさん走れるから)を追求するあまり速すぎるペースで走っている可能性があります。
結果的に疲労が蓄積して、不調に陥ってしまうのです。
夏バテになっている
最近のように急に気温が高くなる季節は、意識をせずとも夏バテになっている可能性があります。
自分では気づいてはいなくても、気温の変化に身体がついていけていないのかもしれません。
無意識に発汗することで多くのミネラルを失ってしまい、夏バテになることも。
夏バテになってしまうと回復までに時間を要すので、なるべく日頃から夏バテにならないように栄養補給をするなど意識をしましょう。
ほんっとに最近は暑い!!!!!
距離や負荷が一気に増えてしまった
調子が良かったりモチベーションが高まったりしている時期は、走る距離やトレーニングの負荷が自ずと増えてしまいます。
自覚は無くても身体には大きな負担がかかっており、適応が間に合わず疲労が蓄積する原因に。
走る距離は増やせても、内臓の処理能力や造血作用はその変化に対応できない可能性があります。その結果、貧血や内蔵疲労による不調に陥ってしまうのです。
睡眠不足
睡眠時間が少ないことも不調の原因になります。
一般の人は6時間未満など短い時間でも問題ないですが、ランナーなどスポーツをしている人は体の回復のためにも7,8時間の睡眠が理想です。
睡眠には筋肉を発達させるテストステロンを分泌させる役割があるので、運動をする人には欠かせません。
日頃から睡眠が少ない人は、睡眠時間を伸ばすことでパフォーマンスの改善も期待できるかもしれません。
貧血
これが一番ある!そう、貧血。貧血にも種類があります。
夏バテで食事がとれない、大量の発汗により鉄分が体外へ出てしまう貧血を「鉄欠乏性貧血」。
激しい運動で酸素の消費量が急増し身体が順応しようとして、血液の流れが活発になることで血中のヘモグロビン濃度が薄くなる「スポーツ貧血」。
マラソンなどで体に負担がかかることで、毛細血管衝撃が加わりヘモグロビンが破壊されて血液が溶血することで起こる「溶血性貧血」。などなど。
急に走れなくなってしまった、呼吸が上がりやすくなってしまったなど、身体に変化を感じる人は一度病院で貧血の検査をしてもらうことがおすすめです。
身体が歪んでしまっている
人間は必ず、左右のバランスにゆがみがあるものと言われていますが、左右のバランスは気づかないうちに崩れてしまっていることがあります。
特に、一度骨盤がゆがむと全身がゆがみやすくなると言われています。
肩の位置や腰の位置、左右の足の長さが変わることで痛みが生じることも。
左右のバランスの悪さが気になる人は一度専門院で見てもらうことがおすすめです。
ランニングの不調から抜け出すための対処法●選
どうしてもこのランニングの不調から抜け出したい!(私も毎回そんなことを思っています)そんな時の対処法をご紹介します。
①とりあえず休む
真面目な人ほどランニングにはまってしまう傾向が強いので、不調の場合は思い切って思う存分休むことがポイントです。
休むことで疲労も抜け、気持ち的にも回復させられるでしょう。「走りたい」と思うようになるまで休んでみましょう。
SNSで周囲のランナーが頑張っている様子を見てしまうと「焦って休めない!」という人は、SNSを見るのを我慢することも休むためのコツです。
「どうしても休むのが不安だ」という人は、水泳やバイクなど他のトレーニング方法を取り入れて体力を維持しておくのもよいでしょう。
②定期的な休足日をつくる
単発的に休んでも、これまで通りのペースでトレーニングを続けることでまた同じような不調を繰り返してしまいます。
練習計画に定期的にオフの日をつくることで、質の高いトレーニングを積むことができます。
気持ち的にも身体的にも、コンスタントに疲れを残さないようにするためにも休息日は大切です。休足日はかなり大事なのではないかと思っています。
③医学的に原因を知り改善する
「痛みがある」「歪んでいる」など、自覚できる症状がある場合には、早めに医療機関などを受診して原因を知って改善させましょう。
自覚症状がない場合でも、病院に行ってみてはじめて貧血であることが発覚する場合も。
原因が明確になればどのように対策をしたらいいのかがはっきりし、気持ち的にも安心できるはずです。
④できた!と思える練習を積み重ねる
不調であればあるほど練習も思うようにこなせなくなってしまうもの。
そんな毎日が続くと、走ることへのモチベーションも低下してしまいますよね。
普段取り組んでいるトレーニングのペースや質を落とすことで、日々の練習で「できた!」と思えることを増やしてみましょう。
練習が予定通りにこなせることで、ランニングにも前向きに取り組めるようになります。
⑤憧れをそばに置く
ランニングのモチベーションを高めるような憧れの存在を身近に置いてみましょう。
たとえば、欲しい新しいシューズを買って走ってみたり、憧れのランナーのYouTubeを見たり本を読んだりして考え方をまねてみたり。方法はさまざまです。
走るモチベーションがあがるような存在を近くに置くことで、不調の渦から脱することができるかもしれません。
⑥心身のケアを徹底する
不調の原因が心身の疲れによるものの場合は、いつも以上にケアを心がけることが大切です。
ゆっくりと湯船に浸かる、バランスのいい食事をする、ケアやストレッチを念入りにする、などで大きく状態も変わってきます。
疲労が溜まっている場合は、生活の中にしっかりとケアを取り入れてみてはいかがでしょうか。
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初心に戻ってみることも大切
ランニングの調子が上がらない時には、「初心に戻る」ことも大切です。
もしかすると「バランスが崩れている」「フォームがばらついている」など思わぬきっかけが不調の原因になっているケースもあります。
そんな状態で練習を続けていてもパフォーマンスは発揮できません。
改めて自分の身体の状態や心の状態を見つめ直すことで、普段使っている筋肉が使えているのか?などを見つめ直してみましょう。
不調の時は、良かった時の感覚を忘れてしまっているものです。初心に帰ることで、調子の良かった頃の状態に戻せるかもしれません。
原因や対処法を把握して、ランニングの不調から抜け出そう!
年の半分くらい不調なんじゃないか?と自覚している私ですが(これが実力なのかもしれないけど……)、やっぱり調子よく走れなければ落ち込むものです。
ランナーは年齢や性別、キャリアなどが異なるので、不調の原因も人それぞれ。
不調だと感じた時には、今一度自分と向き合い原因や対処法を探ってみましょう。