先日の日本ダービー。
スキルウィングがレース直後に急死。あんなに若い競走馬でも、急性心不全で亡くなることがあるなんて…。
馬だけでなく人間も、走ることで心臓に負荷がかかっているもの。
今回は、実際に私の身に起こったランニングと胸痛についての出来ごとをご紹介します。
ランニングの後に突然の胸痛
こんな経験はじめてだった。
最近は土曜の朝に家から徒歩3分くらいの公園で走っている。朝が究極に弱い私ですが、土曜日だけはちゃんと起きます(なんなら平日よりも早く起きます)。
この日はウェーブ走2.3km×4セットをし、終わった頃に左胸にチクチクとする違和感を覚えた。
「え?なんか乳が痛いぞ?成長痛か?(笑)」とか言ってふざけていたのも束の間、家に帰った時からさらに痛くなる。この痛みは絶対に乳じゃない。
大きく息を吸ったり吐いたりすると激痛が走る。鼓動でさえも痛くなる……。
心臓なのでは
ネットで調べてみると狭心症、心筋梗塞など怖いワードがどんどん出てきて、思わずカレーを食べていた手が止まってしまった。
AIに相談してみても同じような返答しか得られず、さらに恐怖が増す。
とりあえず午後の予定をキャンセルし横になってみたが、左側に体重をかけるとまたも激痛。
気づいたら寝てしまっていたけれど、無意識に深い呼吸をするとまた激痛で目が覚める。
いざ病院に!
なよなよしている様子を見かねた夫が、土曜日午後診をやっている循環器内科を調べてくれた。ひとりだったら絶対に諦めていたから、こういうのが二人暮らしのいいところだ。
この日は、本当に人生最後の日になるんじゃないかと思い、一番お気に入りの黄色のシャツを着て診察に向かいました(ガチです)。
病院ではマスクをしているせいか呼吸が浅く、とはいえ痛くて大きな呼吸ができないので半分酸欠状態。待合室ではあしたのジョーみたいな体勢になっていました。
病院では主に以下の3つの検査をしました。
- レントゲン…肺炎や気胸の初見なし
- 心電図…波長に異常なし
- 血液検査…血液のSTが高いかどうか。こちらも異常なし
めちゃくちゃしんどそうな様子を見かねて迅速に対応いただいたのに、少し申し訳ない結果が出ました。
では一体何が起こっていたのか?
心電図にうっすらと「ST上昇」の気があったため、血液検査で本格的に調べるも、結果は陰性。
専門的に見ると、ST上昇は血流不足による心筋の壊死が心筋を貫いていることを示して「ST上昇型心筋梗塞」と診断されることがあるようです。
心臓に異常なしと分かり安心する気持ちと、でも本当は心臓だったらどうしよう……という不安な気持ちが入り混じる。「薬を出しておきますね」で診察終了。
不安を隠せない様子で薬局へ向かうと、薬剤師さんが「心臓かな?と思っても実際心臓じゃないことの方が多くて、心臓まわりの神経が痛んでいることの方が多いんですよ」と教えてくれました。なるほど!謎に元気になる。
神経痛を緩和させる「ノイロトロピン錠」と、痛いときに飲む「ロキソプロフェン錠」が処方されました。
すぐに飲んだ。薬局のウォーターサーバーの水で薬をガブガブ飲んだ。
すると、みるみるうちに元気に!おかげさまで夜の宴への参戦が叶いました。ノンアルだったけど生きていて良かったと実感した1日でした。
考えられる疾患➡肋間神経痛
今日で約5日目、薬の効果もありほとんど気にならないくらいに痛みがなくなりました。(まだ大きく息を吸うと違和感あり)
考えられる疾患のひとつとして当てはまるのが「肋間神経痛」。
肋骨の間を走る肋間神経が、損傷や何らかの要因で圧迫されることで痛みが起こる状態を指します。
「急に電機が走るような痛み」「ジクジクと持続する傷み」など、まさに今回の私のような症状。部位は、背中から脇腹、胸の前面に出ることが多いそうです。
【主な症状】
- 手で押すと痛みが悪化する
- 強い痛み(激痛)
- せき、くしゃみ、深呼吸、少しの体勢変化などで痛みが悪化する
- 片側のみに痛むことが多い(まれに両側)
- 肋骨に沿うように痛む
手で押すっていうのと、肋骨に沿ってというのは当てはまらないけれど、それ以外はおおむね当てはまるな。
【肋間神経痛になりやすい人】
- 激しいせきが長期間続いた
- 脊髄神経が圧迫された(骨折・打撲・腫瘍・椎間板ヘルニア等)
- 肋骨神経が圧迫された(背骨が曲がる等)
- 帯状疱疹ウイルスに感染している(後遺症)
- 内臓の病気を患っている
これもあまりピンとこないけど、走っていると無意識に背中がまるくなる癖があるのでそれで肋間神経が圧迫されたのかもしれない。つじつまが合う!
肋間神経痛の治療法
軽症の場合は、消炎鎮痛薬や神経障害性疼痛に有効な専用の内服薬で回復するのだそう。
さらにリハビリテーションやストレッチなどの運動療法が行なわれることもあるらしいけど、毎日これだけ走っていたら多分不要。
翌日、ちょっと無理して体を動かしたら確かにかなり改善されたので運動療法は効果があると実感しました。
あと、背骨や肋骨を大きく開いたり押したりするとすごく楽になるということも発見。
ランニングで伴う胸の痛みにはその他の疾患も
今回は大事にはならなかったけど、ランニング中や後に胸が痛くなるとかなり不安ですよね。できれば何も起こって欲しくないけれど、考えられる疾患をご紹介します。
胸痛症候群
成長期や思春期の若い世代を中心に最も多いとされる疾患で、原因不明と診断されます。
日に日に自然に回復しやすく、筋肉や骨格の成長痛と考えられることも。
狭心症
身体を動かしたり重いものをもったりした時に、発作的に症状が出る「労作性狭心症」があります。主に冠動脈が動脈硬化になり狭くなることが原因。
安静時に起こる「安静時狭心症」もあり、いずれも病気が進行することで心筋梗塞になる恐れがあるので注意が必要です。
気胸
20代前後や60代のやせ型の男性に多く見られます。イケメン病とか聞いたことがある。
気胸は肺に穴が開いてしまい、肺がパンク状態になる疾患です。胸の痛みと共に呼吸困難も伴います。
その他にも、ストレスや疲労が要因となって胸痛の原因になることもあります。確かに、ちょっとこの頃ストレスがたまっていたかもな、と反省。
元気に走り続けるためにも、ストレスや疲労を溜めない生活を心がけましょう。
いつもと違う胸の痛みが続いたり、吐き気やめまいなどの症状が出た場合にはすぐに病院で診察を受けることがおすすめです。