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マラソンでリタイア(DNF)するということ 理由や心構えについて考えてみた

もうすぐ出産する系ランナーなのですが、お医者さんから毎日2時間歩くことを推奨されました。は?!2時間?!ランナーの時でさえそんなに走らんわ。

そう思いながら、夕暮れの河川敷をひとり寂しく歩いたりしています。寂しいなあ。

ふと寒空の河川敷を歩いていると、いつかの京都マラソンで負傷しリタイアした日のことを思い出しました。あの負傷後もこんな風に河川敷を歩いてリハビリしていたっけな。

ランナーの皆さんは、マラソンレースのリタイアをどのように考えているのでしょうか。

今回は、マラソン大会のリタイア(途中棄権/DNF)について考えてみたいと思います。

完走率100%のマラソン大会は存在しない!

当たり前のような話ですが、完走率100%のマラソン大会なんてほぼ存在しません。

大会名 DNF率
北海道マラソン2022 約10.4%
水戸黄門漫遊マラソン2022 約12.3%
横浜マラソン2022 約7.9%
おかやまマラソン2022 約8.4%
NAHAマラソン2022 約32.3%

どんな場所、気候、コンディションであっても、最後まで走り切れないランナーは一定数いるので「リタイアが怖い」と思うのは間違っているのかも。

「たまたま運が悪く、リタイアするのは自分だったな」と思うことで、レース本番のプレッシャーは軽減されます。

DNFとは?

DNFは「Did Not Finish」の略で、マラソン大会や他の競技大会で使われる言葉です。
競技者がレースを完走せずに途中で棄権した場合、その選手はDNFとなります。

棄権の理由はさまざまで、 怪我や健康上の問題、または他の個人的な理由が含まれることなど。DNFは完走しなかったことを示す記録として使用され、スポーツイベントの結果に反映されます。

リタイア(途中棄権/DNF)する理由

マラソンレースをリタイア(途中棄権/DNF)する理由はさまざま。主にどのような理由から、リタイアにつながるのでしょうか。

ケガや体調不良

一番多いのがケガや体調不良です。スタートラインに立つまでは良くても、42kmという長い旅路の中では、体の不調を感じやすいもの。

足が痛くなったり、お腹を壊したりなど、要因は多岐に渡ります。

ケガや体調不良の場合、アドレナリンが出ていることでしんどいと思っていてもなかなか自分の意思でストップできないことがあります。

しかし、レースで無理をしてしまうと以降のレースやトレーニング、日常生活にさえ支障をきたす可能性があるので、潔くやめることが賢明です。

後半のペースのがた落ち

前半のオーバーペースや練習不足が要因となり、後半足が動かなくなってしまうことも要因のひとつ。

せっかくいいペースで走っていても、後半のラップペースが落ちてしまうことはあることです。ペースの落ちように絶望し、モチベーションも急降下。

無理に完走して無駄な疲労を残すくらいなら、止めて次に向けて切り替えた方がいいという考えから、リタイアを選択するランナーがいます。トップランナーの多くに見られる選択です。

記録が狙えない

失速以外に、スタートに遅れてしまった、トイレに行ったなど、何かしらの理由により記録が狙えない場合もリタイアにつながります。

ファンランに切り替えるなど、レースを違う視点から存分に楽しむという方法もおすすめです。

関門にかかる

「〇時〇分までにこの距離を通過すること」とレースの多くが関門を定めています。関門が閉鎖されると、ランナーの競技は強制終了に。

体は走れたとしても、収容されてDNFとなってしまいます。想定以上に早く関門が締まってしまう大会もあるので、各レースの関門はエントリー時にチェックしておきましょう。

【体験談】初めてのリタイアを味わった京都マラソン

私もマラソン大会でリタイアを味わったことが過去1度ある。そう、いつかの京都マラソン。この日は雨雪が降っていて、2月の京都の中でもとても寒い日だった。

考えられる要因は死ぬほどあった

正直、あの頃の私はマラソンランナーとしてはまだまだ新米で、寒い気温も要因のひとつであったと思うけど、その他にも考えられる要因がいくつもあった。

まずは、当時はやり始めた厚底シューズを3kmほどしか試し履きをしないままレース本番で使用したこと。
さらに、金欠の影響で東京から京都まで夜行バスで前入りをしたことで体が疲れていたということ。

しかも、レースの前週末は仲間とスノボ旅行を楽しんで体を駆使するなど、さまざまな要因が考えられた。(これは普通にバカ)

レース中に腸脛の違和感 そしてリタイア

あまり何も考えずスタートしたが、10kmあたりからこれまでなかった腸脛の痛みを感じはじめた。

だましだまし走れば何とかなるだろうと思っていたものの、30km手前のカーブで思いっきり痛めることに……。

自己ベストと入賞が狙える範囲だったこともあり、立ち止まった時に後方から追い越される悔しさと痛みに号泣してしまった。もちろん、再度スタートすることもできず初のリタイアを味わうこととなった。

救護のおじいちゃんが「よく頑張った!京都のこと嫌いにならんと、また走りにきてな」と言ってくれてさらに泣いたのを今でも覚えている。

リタイアした後はどうなるのか

リタイアした後は、まずは一番近い救護テントに運ばれた。寒さにガタガタ震えながら、収容バスが来るまで待機。私は足を痛めていたこともあり応急処置をしてもらった。

交通規制などもあり、収容バスでフィニッシュゲートに戻るまで2,3時間はかかったと思う。
寒さに震えながら、フィニッシャータオルではなく無地のタオルを手に更衣室へ戻った時は、より悔しさが募った。

経験を通して学んだこともあった

応援ナビ(自分のタイムや走っている場所が分かるアプリ)を見ていた人から100件以上のメールや電話が来ていて、心配かけたなと、またリタイアへの後悔の念がこみ上げてきた。

その日は打ち上げなどにも参加せず逃げるように東京に帰り、浴びるほど飲んだ!

いつもより辛口のコークハイを片手に、“必ず成功するレースばかりじゃない”ということ、“プロのトップ選手もリタイアすることもあり、改めてマラソンという競技はむずかしい”ということを実感し、あの日から新たな気持ちで練習と向き合えるようになった。

マラソン大会のリタイアを乗り越えるために

マラソン大会本番のリタイアは正直とても辛い!それにメンタルに響く!

特に「また次もやめてしまったらどうしよう…」という漠然とした不安もつきまといます。マラソン大会のリタイアを乗り越えるためには、どうしたら良いのでしょうか。

①現実を受け入れてまずは体を回復させる

まずは、リタイアという結果を受け入れること。レース本番に向けてたくさん練習して調整をしてきたにも関わらず、完走できなかったことは『悔しさ』もあれば『腹立たしさ』『悲しさ』もある。でもまずは現実を受け入れましょう。

ここでストレスが溜まる場合は、(私みたいに)酒とか飲んで感情的に人に迷惑をかけない範囲で吐き出してもいいんです!

気持ちが落ち着いたら、体を回復させましょう。早々に練習を再開させたいランナーも多いと思いますが、まずはしっかりと休んで心身ともにリフレッシュさせることが大切です。

ケガでリタイアした場合はなおさら大切なことですね。

②レースを分析してみる

気持ちが落ち着いたら、一度レースを分析してみましょう。思い出すことに抵抗があるかもしれませんが、次に活かせる新しい発見があるかも。

たとえば、途中で内蔵疲労が来た場合、前日や当日の食事に原因は無かったかどうか。後半バテてしまった場合、今の実力以上の目標を設定していなかったかどうか(合わせて練習内容を見直すなど)。

身近に相談できるランナーがいる場合、話し合ってみても良いでしょう。こういう時、ラン友って大切っ★

③次の目標を定めてトレーニングを再開!

気持ちの整理がつきリベンジを選択したのであれば、次の目標を定めてトレーニングを再開しましょう。目標を設定することで、気合を入れてトレーニングに取り組めます。

ひとりで練習に取り組むことが苦痛な場合、同じようにレース出場を志すランナーが集まる練習会に参加するのもおすすめ!

モチベーションを高く維持した状態で、練習に取り組めるでしょう。

やめる勇気も時に必要!またひとつ成長したランナーになれる

「応援してくれる人がいる」「高いお金を払ってきている」など、ランナーが完走をあきらめない理由はさまざま。
しかし、今後のレースやトレーニングを見越して、やめる勇気も時に必要だと感じます。

私もケガでリタイアをした時にはかなりひどく故障し、練習再開までに2カ月近くかかってしまいました。もっと早くやめておけば、シーズンラストレースに出られたのかな…なんて思ったことも。

「必ずいい結果ばかりではない、それがマラソン!」と大きな器で向き合うことで、またひとつ成長したランナーになれるのではないでしょうか。

p.s. 先日2.5切りのランナーである夫が、まさかの3時間半のタイムでボロボロになって帰ってきました。序盤からしんどくなり、結果給食を楽しみながら完走したそうです。トップランナーでもそんなことがあるのだな、と。マラソン大会のストーリーは人それぞれのようですね!