マラソンレース前「刺激」をするランナーも多くいるはずです。
「刺激」は、体にピリッと刺激を与える意味でもランナーたちの間で大切な役割をもつ調整方法になります。
今回はマラソンレース前の「刺激」について詳しくご紹介していきます。
「刺激」とは?
マラソンレース前に実践されることが多い「刺激」は、
レースの前日あるいは2,3日前に1000m程度の距離をある程度疲労が残らないくらいのスピードを出して走ることです。
そもそもの「刺激」…
学生時代に陸上部で中長距離に取り組んでいる人にとっては、「刺激」は一般的と言われています。
「刺激」は日本の実業団選手を中心にかなりの割合で取り入れられていますが、海外ではあまり聞かない風習(?)で、日本ならではの調整方法のようです。
私も学生の頃は、大会前に400mや1,000mを学校のグラウンドで走らされていました。
実際、そんなにガチで走るべきではないものの、当時は学内選考(小さい学校だけれど)も兼ねていたのでパフォーマンス発揮のためにガチで走っていたような…。
今思えば、本来の趣旨と大きくかけ離れてしまっていたような気がする。
「刺激」の目的とは?
トラックレースに挑むランナーや、マラソンレースを走るランナーなど、ランナーが実践する「刺激」にはどのような目的があるのでしょうか。
大きく分けて3つの目的があります。
①身体の動きをよくする目的
それなりのスピードで走ることで身体に刺激を入れ、ピリッと身体の動きを良くする効果が期待されています。
運動生理学的には、疲労を溜めない状態で走り筋肉内のミオグロビンの酸素乖離能力を高めておくことで、運ばれた酸素が筋肉で使われるよう、スムーズな引き渡しを促す効果があるとも言われています。
②自分のコンディションを確かめる目的
「刺激」には、今の自分のコンディションを確かめる目的が秘められています。
少し息が上がるくらいの強度になるので、心肺や筋肉の調子を確かめるには最適です。
走ってみて「動きがいいな」「少し体が重たいかも…」といった感覚をもとに、当日のレース戦略を考えるケースも。
ケガ明けの場合は、どれだけレースに挑める状況になっているかを確かめる場としても活用できます。
調子がいいと思っていても、「いざ走ってみると全然コンディションが悪かった」ということに気づかされることもあるので、ナーバスになりすぎてしまう人は注意しましょう。
③レースに向けて取り組んできた練習を一区切りする目的
ひとつのレースに向けて、走り込みのトレーニングを重ねて一生懸命取り組んできたはず。
これまでの練習を一区切りさせることも「刺激」の目的のひとつです。
気持ち的にも区切りを明確につけた後に、レースに挑み、レースが終わったらまた練習を開始するためのけじめをつけるのにも最適です。
「刺激」の方法
刺激の方法は、「レース前日に1000mを走る」「レース2日前に3,000mを走る」「体調と相談して200mを5本走る」など人によってさまざまです。
もちろん中にはやらない人もいます。
厳密に「これが刺激」というものは決まっておらず、自分に合ったタイミングとやり方を取り入れてみましょう。
私が実践しているのは……
ケース①
レース前日に1,000mを1本、90%くらいの力で走る
ケース②
レースの2,3日前に3,000mを1本、80~90%%くらいの力で走る
ケース③
レース前日に200mを4,5本、90%くらいの力で走る
目的に応じてレース前の「刺激」を取り入れてみよう!
「刺激」は、やる・やらない含めて、今後取り入れようと考えている人は参考にしてみてくださいね。目的もさまざまなので必要だと考えるランナーにはおすすめです!
実践する時には、レース直前にケガをしてしまっては本末転倒なので、必ずウォーミングアップなどでしっかりと体を温め、走る状態を整えて「刺激」をしましょう。
走った後は、後に疲労を残さないように入浴やストレッチをしてケアを欠かさないことも推奨します。
マラソンレース本番前は自分に合ったやり方でコンディションを整え、レースに臨みましょう!