マラソンの練習として効果的と言われているインターバル走。涼しくなってきた最近では練習に取り入れ始めた人も多いのではないでしょうか。
インターバルトレーニングはより実践的な練習であり、負荷も大きく、その効果はとても期待できる練習です。
ここでは、サブ3を目指すランナーが取り入れたいインターバルトレーニングについてご紹介していきます。
インターバルトレーニングとは?
インターバルトレーニングは「インターバル」とも呼ばれており、一定の間隔を「速く走る」と「遅く走る」を繰り返すトレーニングです。
英語で「インターバル」は「間隔」「休憩」と呼ばれているように、その合間にゆるいジョギングを取り入れるトレーニング。
心肺機能やスピード持久力の向上が見込めるトレーニングとして、マラソンを志すランナーをはじめ、多くのランナーが取り入れているトレーニングなのです!
インターバル走で見込める効果について
学生の陸上競技部の部活動でも取り入れられるインターバル走を行うことで、ランナーには欠かせないさまざまな効果が期待できます。
効果①スピード持久力の向上
「速く走る」動作を行うため、スピード持久力の向上も期待できます。
スピードを出すために必要な速筋が刺激されることで速筋を鍛えるトレーニングにも役立ちます。
また、その動作を複数回繰り返し行うトレーニングなので、スピード持久力も鍛えられ、より長い時間スピードを維持して走ることができます。
効果②心肺機能の向上
速いダッシュと、ゆっくりのジョギングを何度も繰り返すことで心肺機能の向上にも効果的。
心肺機能を強化することにより、肺に送られた酸素を心臓がポンプの役割を果たして全身の隅々まで酸素を運ぶことができます。
心肺機能を強化することで、持久力のアップにもつながります!
効果③スタミナアップ
たくさんの酸素を取り入れて、身体に巡らせる機能の向上により、スタミナもアップします。体内でよりエネルギーに変えられる量も増えるので、持久力向上にもつながります。
最大酸素摂取量と呼ばれる、VO2MAXの向上が期待できる練習メニューとしても推奨されています。
効果④疲労回復効果の向上
インターバルトレーニングは負荷も大きいので乳酸が溜まりやすく、本数をかさねるたびに徐々に足が重くなってきます。
しかし、この乳酸はエネルギーとして再利用することができるものなので、上手く活用できれば速く長く走っても疲れにくい身体にすることができるのです。
インターバルトレーニングを行うことで、この乳酸をエネルギーとして活用する力を高められるので、レースの後半でも疲れにくい走りを実現することができます。
効果⑤脂肪燃焼効果
負荷の大きな練習のため、筋肉への刺激も大きいです。
そのため、代謝もあがり、脂肪燃焼効果も高い練習とも言われています。
運動中に限らず、運動後にも高い脂肪燃焼効果が期待できることからも、ガチランナー以外の一般ランナーにも注目されつつあるトレーニングのひとつです。
インターバル走のおすすめは1,000mのインターバル!
インターバル走にも、ロングインターバル、ミドルインターバル、ショートインターバルと種類があり、距離により分類されます。
練習の目的やコンディションによって調整することが望ましいのですが、秋のマラソンシーズンには1,000mのインターバルをおすすめします!
スピードもスタミナも両方鍛えることができる距離であり、失速しにくいちょうどいい距離であることが特徴です。
設定タイムや本数を調整することで、フルマラソンにもハーフマラソンにも適応した実践的な練習にすることができる点もメリットのひとつ。
1,000mのインターバルで意識すべきポイント
そんなおすすめの1,000mのインターバルを実施する時に、意識したいポイントをご紹介します。
これからの練習にインターバルトレーニングを取り入れようと思っている人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
80%の力で走り、400~200mはジョグでしっかりリカバリーする
1,000mはしっかりと心拍をあげて、リカバリーの距離はしっかり心拍を下げることがこの練習で意識したいところです。
そのため、1,000mを飛ばし過ぎてしまい後半失速してしまうことや、リカバリーが休息になるようなことはもっとも避けたい点。
そのためにも、現状の自分の身体に合ったペースを設定し、きちんと設定タイムを守りましょう。
特に疲れてくるとリカバリーのジョグにもばらつきが出がちなので、間のリカバリーのジョグも心拍を下げるための重要な練習だと意識することが重要です。
レースペースよりも10~20秒ほど速いペースを意識する
インターバルトレーニングがより実践的な練習メニューになってくることからも、レースペースを意識したペースで走るケースも多いです。
設定タイムはレースペースよりも、10∼20秒ほど速いペースを意識したものが好ましいとされており、例えば5,000mを20分で走る人の場合は1,000mを3分40~50秒で走ることが望ましいです。
フルマラソンのレースペースに当てはめても同様のことが言えます。
レースをイメージして後半のフォームが崩れないように意識をする
きつくなってくると、どうしてもフォームが乱れがちに。
フルマラソンのレースでも同様のことが言えますが、フォームが崩れてしまうと無駄な動きが増えてしまい、走りにも影響が出てきます。
インターバルの後半でよりフォームを意識した走りをすることが、レースにもつながる良い練習になります。
最初から最後まで、なるべくフォームを崩さないような理想的な走りを意識しましょう。
各本数でタイムにばらつきが出ないように走る
本数をかさねていくごとに、徐々にペースが下がったり、中盤落ち込んで最後だけ上がるなどということはありがちですが避けたいところです。
もちろん、つなぎのジョグが後半になるにつれてだらだらとしてしまうのも同様。
本数を決めて走るのであれば、各本数にばらつきが出ないようになるべくまとまったペースで走れるように意識することが重要です。
【体験談】1,000m×10本のインターバルトレーニングを実施してみた
実際に私も休日に、1,000m×10本のインターバルトレーニングを実践してみました。
かなりきついトレーニングになりましたが、その体験談をご紹介します!
設定は3分50秒前後 リカバリーは400mジョグ
この日は天気も良く、気温も20度少しと、秋らしい良い天気でした(湿度は高め)。
済美山陸上競技場で、1,000m×10本のインターバルトレーニングを実践!
リカバリーは長めに400mとり、フルマラソンに向けてなるべく距離を踏める練習という点をターゲットに置いて行いました。
仲間3名で走ることで、ペース落ちを防ぐ
練習では、同じ設定を目標としている3名で走ることになりましたが、そのことになるべく頼らないように意識をしました。
しかし実際は、中盤ペースが落ちたタイミングで周りが引っ張ってくれるなどで助けられた部分も多くあります。
ひとりでこの練習をこなすことができれば理想ですが…。
なかなかハードルは高いので、いつかは一人でもできるようになりたいと切に感じています…。
5本目ごろから足への乳酸が溜まり始める…
序盤は良かったものの、5本目あたりから足が急激に重くなりはじめます。本数をかさねると、その分疲れがたまるので仕方がないことです。
まさに、この後半をどう落とさずに走るかがこの練習のネックになってくると感じました。
心拍にはまだ余裕があったので、気力で走り続けます。
この時にフォームが崩れないように意識しました。
ラストの1,2本は出し切る練習としてペースアップ
9本目、10本目は全ての力を出し切るためにペースアップをしました。
やはり、ラストになればなるだけフォームが崩れている意識がありました。
足が動かない分、なるべく前に前に進もうともがいている感は走っていても自覚をする部分ではあったので、今後のインターバルトレーニングでも修正すべき課題点です。
疲労の溜まりやすい練習になるので、ケアも欠かさず!
インターバル走は疲労が特に溜まる練習になります。
走り終わった後のクールダウンはもちろん、お風呂やマッサージでケアを行い、疲労を残さないように工夫をしましょう。
きちんとケアをすることで、怪我の予防にも!アイシングなどもおすすめです。
フルマラソンシーズンにはペースを落として本数を増やした設定も有効!
フルマラソンではスピード系よりも持久力やスタミナが求められます。
そのため、より持久系に特化したトレーニングが求められるので、設定タイムを少し落とし、さらに本数を増やしたインターバルトレーニングが有効です。
走る距離を増やしたロングインターバルも持久系の練習としては向いているので、2,000m×4,5本、5,000m×3本なども実践してみると良いでしょう。
気候も涼しくなってくるタイミングなので、インターバルトレーニングは積極的に取り入れることをおすすめします!
インターバルトレーニングを上手く取り入れてフルマラソンサブ3に備えよう!
インターバルトレーニングは短時間で効率的にフルマラソンに必要不可欠な要素を鍛えることができる練習です。
夏場は土台作りを中心に練習をしてきた人は、月に2,3回ほどこのインターバルトレーニングを取り入れることで、より実践的な練習をすることができます。
私自身、強化したい目的に合わせて距離やペース、本数は設定をしています。
ただ、あまり無理をし過ぎると怪我にもつながってしまうので、現状をしっかり把握したうえで無理のない心拍数、スピードに合った設定で走りましょう。